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どこで活用されてる?サービスデザイン導入事例

   

サービスは、私たちの生活の中でとても重要なもの。というのも、税金申告や公共の交通機関、組織内コミュニケーションやスマートフォンアプリの使用まで、全部ある種のサービスだからです。毎日、私たちは気付かぬ間に様々な種類のサービスに参加しているというわけです!ただサービスと一言に言えど様々な種類があって、その複雑さも多様。だからサービスはとても幅広く、曖昧な分野とも言えます。

では、サービスデザインとは何を意味するのでしょうか?オンラインデザインスクールの Interaction Design Foundation では、サービスデザインを以下のように定義しています。

a process where designers create sustainable solutions and optimal experiences for both customers in unique contexts and any service providers involved.

あるコンテキストに置かれている顧客と、関連するサービスプロバイダーの双方のために、デザイナーがサステナブルなソリューションと最適なエクスペリエンスを生み出すプロセス。

Interaction Design Foundation

また、Nielsen Norman Group では、サービスデザインを以下のように定義しています。

Service design improves the experiences of both the user and employee by designing, aligning, and optimizing an organization’s operations to better support customer journeys.

サービスデザインは、より良いカスタマージャーニーを実現するために組織の運用を設計、調整、最適化し、ユーザーと従業員双方のエクスペリエンスを向上させる。

Nielsen Norman Group

さて、こんな風にしてサービスデザインとは何か、という定義を読んでみてみるのも良いのですが、実際に誰が、誰のためにサービスデザインを実装しているのでしょうか?ここからは実際にサービスデザインという手法を活用することでどのような問題を解決することができるのか、そしてどのようにしてより良いサービスの実装へとつなげることができるのかを、大きく3つに分けて見てみましょう。

政府や公的機関 − 市民のためのサービスデザイン

公共サービスのアプリのためのプロトタイプのプリント

公共サービスのシステムは、とても複雑です。たいていの場合、公共サービスシステムを設計するには複数の民間機関、政府機関、非政府機関が関わっているため、それぞれの組織間での調整が欠かせません。さらに多様な市民に対して正確に、かつ一貫して届けられるものでなければなりません。このような場面においても、サービスデザインはユーザーフレンドリーで、テクノロジー統合型のインタラクションを生み出すのに大きく貢献します。私たちは日々、政府機関のウェブサイトやアプリ、ソーシャルメディア、物理的なオフィスを使用して、不可欠な情報を取得し、タスクを完了させています。公共料金の支払い、税金の申告、道路の修理の依頼なども、その例です。こうしたサービスを生み出すのに、サービスデザインは有効な手法となります。

より良い公共サービスを生み出すためには、国、都道府県、市区町村の機関から、民間企業、市民まで、幅広いエコシステムについて考えることが必要です。同時に、さまざまな状況で個々の市民が体験していることを理解する能力、共感する能力も必要になります。このようなことが求められる公共サービスの設計において、共感マップ、サービスブループリント、カスタマージャーニーマップ、ペルソナなどのサービスデザインツールは、複雑な現状を視覚化して理解し、すぐに改善が求められる問題点を見つけるのに役立ちます。

実際に公的機関におけるサービスデザインの活用のされ方については、以下の政府機関や非営利団体を是非参考にしてみてください。

IT企業 – ユーザーのためのサービスデザイン

スマートフォンでメッセージアプリを使う男性

テクノロジーと、ユーザーとのギャップを埋める

IT企業はプロダクトデザインと深く結びついていますから、おそらく最もよく知られているサービスデザインの応用方法と言えるでしょう。サービスデザインの方法論とツールは技術サービスの開発に非常に有効で、急速に開発が進んでいるテクノロジーと、ユーザーとのギャップを埋める役割を果たします

例えば、ニューロマジックではサービスデザインの方法論を使用して、ソニー銀行と共にネットバンキングアプリのUX改善を行いました。ペルソナを作成し、サービスデザインスプリントのツールを使用しながら素早くアイデア創出とプロトタイプ制作をすることで、のちにソニー銀行のチームがの簡単に実装させることのできる結果まで得ることができました。

この他にも、以下のようなIT企業におけるサービスデザインの活用方法が挙げられます。

  • サービスデザインスプリントを利用し、新たなプロダクトのアイディエーションとプロトタイプ制作を行う
  • プロダクトオーナーとステークホルダーが共に集まる場でファシリテーションし、双方の協力により成り立つシステムを生み出す
  • カスタマージャーニーやサービスブループリントから機会や問題点を特定し、新たなサービスを生み出す、または既存サービスを向上させる

大企業 – 従業員のためのサービスデザイン

会社の広いオフィス

スムーズで的確なサービスは、必ずその背景にあるステークホルダー間コミュニケーションが円滑になされている

サービスデザインの重要な役割の1つは、コミュニケーションを円滑化させるということ。ユーザーから見てスムーズで的確なサービスは、必ずその背景にあるステークホルダー間でのコミュニケーションが円滑になされています。このようなユーザーには見えない部分をサービスデザインでは「バックステージ」と呼んでいますが、複雑なサービスを成功させるには、このバックステージでのコミュニケーションの円滑化が欠かせません。例えばニューロマジックでは東芝の異なる部門、ビジネスチームとデザインチーム間のコミュニケーションを円滑にさせるために、ワークショップを通じて解決策を導き出す出すサポートをしました。このようなワークショップを行うことで新サービス開発のプロセスを向上させ、ビジネスの目的とユーザーの視点の双方に沿った開発を行う環境の実現へと導きました。この事例について詳しく知りたい、という方はこちらからご覧ください。

コミュニケーションの円滑化を目的に集まった異なる部署のメンバーたちは、サービスブループリントやユーザージャーニー、ペルソナを共に作成していくことで、互いに共感できるようになっていきます。デザインスプリントまたはワークショップでお互いに向き合って作業する場を設けることで、謙虚さを養ったり、理解を深めることもできるのです。多くの場合、組織はとてもサイロ化されていて、他のチームがどのような感情や葛藤を抱えているのかに気付かないことがほとんどですから、このような場が重要になるというわけです。


さて、今回の記事では政府、IT企業、大企業という3つのサービスデザインが実装されている場に注目しました。しかし、これはサービスデザインの応用の1部の例でしかないということをお忘れなく。このほかにも様々な応用がありますが、この記事で少しでもサービスデザインの応用について理解を深めていただけたならば幸いです。サービスデザインに関してもっと知りたいという方は、「サービスデザインスプリントは他のデザインスプリントと、どう違う?」のブログも併せてご覧ください。サービスデザインに関するセミナーも定期的に実施していますので、お見逃しなく!

この記事は、石田智絵が英文を日本語に翻訳しています。

岩田エレナ

デジタルマーケター
アメリカ出身。メディアコミュニケーションの学士号を取得後、2019年ニューロマジックに新卒入社。現在は自社のSNS企画運営に加えて、サービスデザインに関する記事の執筆、インタビュー、撮影までをマルチにこなす。

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