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ユーザーの視点をプロジェクトに取り入れるリサーチとは?

   

目次

なぜリサーチが必要なのか?

ここ数年広まっている言葉として、デザイン思考、サービスデザイン、UXデザイン、UIデザインなどがあります。

それぞれの定義は違いますが、共通しているのは「ユーザーのニーズを理解する」ことです。得られたニーズをデザインに活用することで、より良い製品やサービスを創出することができます。これを実現するための第一歩が、リサーチです。

しかし現状、リサーチ企画を導入しようとしている組織やプロジェクトチームがよく陥ってしまう課題があります。それはリーダーやスタッフが「時間がかかる・スピードが落ちる・予算がない」と懸念し、リサーチが実施されないままプロジェクトが進行してしまう状況です。

確かに、リサーチの導入によって短期的なコストは高くなります。しかし、リサーチを行えば、顧客が本当に必要としているサービスを生み出すことができます。つまり、長期的に見れば大きな利益がもたらされるのです。

具体的にご説明します。

リサーチを行うと、以下の3点が手に入ります。

  • 製品やサービスの戦略策定や、デザインのコンセプトを整理するための指針
  • 多様な視点からの意見、アイデア
  • 意思決定を裏付ける客観的なデータ

それらにより、以下のメリットを得ることができます。

  • 誤った仮説を回避できる:社内や自分の経験のみに基づいた決断は、偏見が生じる可能性があります。多様な視点を持ち、客観的にニーズを分析できるデータがあれば、成功率の高い解決策を生み出すことができます。
  • 新しい気づきを得ることができる:ユーザーの声を含む多様な視点は、プロジェクトの方向性を修正するだけでなく、チームに新しい気付きを与えます。

リサーチは人々が実際に欲しいと思う製品やサービスを生み出すため不可欠なアクションです。ユーザーニーズを理解せずにプロジェクトを進めるのは、まるで製品を墓場に送るようなものです。せっかく実装した製品やサービスが利用されず、結果的に貴重な時間とリソースを浪費してしまう可能性が高くなります。

初期にリサーチを行うことで、早い段階で軌道を修正し、最小限のダメージでプロジェクトを進めることができます。

そもそもリサーチとは?

ここまでリサーチの必要性を説いてきましたが、そもそもリサーチとは何をするものか、改めてご紹介します。ニューロマジックでは、大きく分けて2つのリサーチを行っています。

仮説を検証するためのリサーチ

プロジェクトにおいて常に意識しておくべきなのは「立てた仮説が正しいのか」です。つまり「その製品やサービスは、本当にユーザーが抱える課題を解決できるのか」を明らかにしなくてはいけません。そこで、リサーチによる検証が必要になるのです。

例えば、プロジェクトの初期段階で方針が正しいのかを検証するためのリサーチもあれば、製品やサービスローンチの前に需要性を測定するリサーチもあります。

気づきを得るためのリサーチ

また、定量調査/一般的な定性調査では明らかになりにくく、ロジカル思考では導けない問題や課題を探索するアプローチとしても、リサーチを活用できます。

例えば、エスノグラフィを応用してユーザーのことを詳細に理解したり、極端な特徴を持つ「エクストリームユーザー」を調査対象とすることでプロジェクトにインスピレーションを与える「気づき」を得ることが期待できます。

リサーチ全体のプロセス

企画・設計・準備・実査・分析に経るリサーチ全体のプロセス
▲リサーチ全体のプロセス

いかなる目的のリサーチであっても、リサーチでユーザーから必要な情報を得るには、構造的なアプローチをとる必要があります。

ここからは、実際のプロセスについて詳しくご紹介します。

Step1 リサーチの企画

調査の目的と課題の整理

プロジェクトマネージャーと話し合いながら、全体像と課題感を把握し、企画を立てていきます。調査の目的と課題をまとめた後、適切な調査手法の検討に入ります。

調査手法の決定

定性調査・定量調査などの手法、対象となる被験者やそのボリュームについて決定します。

  • 調査の目的・課題
  • 調査に割けるリソース

以上の2点をもとに、手法、対象者とボリュームを決定します。

ユーザーリサーチには、アンケートを始めとした定量調査やインタビューを含む定性調査など、様々な手法があります。それぞれの長所と短所を理解した上で、目的に適した手法を選択していきます。

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Step2 設計

調査対象者像を明確にする

リサーチの手法、調査対象者を検討します。

製品やサービスには、利用してもらうことを想定している顧客セグメントがあります。例えば、地域、性別、年齢、職業、そしてその製品やサービスに対するリテラシーや使用履歴なども基本的な条件となります。

これらのセグメントを検討し、調査したい対象者の基本属性を絞った上で、「調査目的や仮説を検証できる人」を具体的に定義します。その定義に基づいて、適した調査対象を抽出できるような応募条件を決定します。

タスク・インタビューフローの設計

企画段階で定めた調査課題に沿って、タスクやインタビューフローに落とし込んでいきます。

調査対象者像が定まり次第、対象者に実査で依頼するタスクや、インタビューで質問する項目を検討します。必要な調査結果を得るためには特に重要な部分なので、一部の担当者が作ったものをそのまま使用するのではなく、複数のメンバーでチェックをしたり実際に社内でテストを行うなど、検証をしながら設計を詰めるとよいです。

Step3 準備

リサーチの企画と設計が終わったら、事前準備の段階に入ります。

リサーチを実施する際は予想外の場面にも遭遇します。どのような状況でも柔軟に対応できるよう、可能な限り準備をします。一例として、インタビュー調査を行う場合の準備事項をご紹介します。

  • リサーチマテリアル*1の作成
  • 被験者のリクルート
  • スタッフ手配
  • 観察記録シート
  • 実査枠と参加者見学者の決定

Step4 実査

あらかじめ決めていた計画に則り、調査を実施してデータを収集します。

💡 ユーザーの深層心理を理解する方法『デプスインタビュー』の具体的な手順・コツに興味がありましたら、ぜひこちらをご覧ください:https://sdg.neuromagic.com/depth-interview/

Step5 分析

リサーチで得た情報をプロジェクトに活用できる形に整理して分析します。

リサーチから得た情報をどのように整理するかは、リサーチの手法(定量・定性)とプロジェクトの目的によりますが、一般的には以下のプロセスを踏んで進めます。

1次データの整理

調査によって発言録、録画データ、集計結果などの様々なデータが得られますが、この段階では得られた情報に対して解釈や考察は加えずに、まずは見返しやすい形に整理します。

分析、考察

整理された1次データを分析し、プロジェクトにとって価値のあるインサイトを抽出していきます。調査の目的によって分析手法は様々ですが、その中でも適したものを採用します。代表的な例としては、顧客の人物像を具体的に表すペルソナ、顧客の体験をフローで示すカスタマージャーニーマップなどがあります。

まとめ

もちろん、多くの人がユーザーにとって良いものを作りたいと願い製品やサービスを開発していますが、使い手は作り手とは異なる考え方を持っています。そのため、開発者が良いと思ったものが必ずしもユーザーに受け入れられるわけではありません。その作る側と使う側との間にあるギャップを埋めるためのプロセスが、リサーチです。

リサーチを通してユーザーの視点を開発に取り入れることで、彼らが本当に望んでいることが理解でき、ユーザーにとって本当に望ましい製品やサービスを実現することができるのです。

ニューロマジックでは、お客様のお悩みや事業課題に適したリサーチの設計から実施まで、一貫してサポートいたします。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください


リサーチマテリアル:リサーチ対象者の考えを言葉だけではなくビジュアルとして表現することができたり、リサーチ対象者との協力関係を築く手助けになったり、リサーチをより円滑にするためのツール

林 静瑩

サービスデザイナー

台湾出身。2019年ニューロマジック入社。前職で培ったマーケティング領域での経験を活かし、現在はデザインスプリントのメニュー設計やファシリテーションを行う。中国語、英語、日本語を巧みに操るトリリンガル。

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