ユーザーの深層心理を理解する方法ーデプスインタビューのやり方、コツ

氷山の一角|潜在的なニーズを知る大切さ


私たちが日々意識している「顕在意識」。それは氷山の一角に過ぎず、水面下には膨大な可能性に満ちた「潜在意識」が眠っています。

したがって、人間は潜在的意識下での情報処理が非常に大きい割合を占めており、一般的な生活者が「明確に言語化できる欲求」は、欲求全体の5%程度だといわれています。

一方、サービスの改善を行う際、ユーザーが求めているサービス像を知る必要がありますよね。ユーザーに寄り添ったサービスを提供するには、氷山の一角に囚われず、彼らの深層心理を把握することが鍵となるでしょう。

そこで、デプスインタビューの手法が役に立ちます。ユーザーも気付いていない無意識な欲求を深堀ることで、本質的なニーズを分析することが可能になります。

デプスインタビューとは?


Depth interview, 深層面接法

インタビュアーと対象者が面談方式で対話する、定性調査の手法の一つです。
1on1インタビュー、IDI(インデプスインタビュー)と呼ばれることもあります。
最大の特徴は、インタビュアと対象者が一対一でやりとりすることです。

インタビューでは表面的な情報収集ではなく、対象者の深層に深く入り込んで質問します。対象者の答えや反応から、生活・行動の裏側にある動機・願望・不満・価値観などを、明らかにしていくことができる手法です。

デプスインタビューのメリット・デメリット


この手法ではさまざまなメリットがある反面、相応のデメリットも含まれます。
ご自身の商品やサービス改善にインタビューを盛り込む際、以下の要素の影響はあるか確認してみましょう。

デプスインタビューのメリット

1対1のインタビューであるため、一人のユーザーに対し深く質問することができます。
具体的に商品やサービスの購買行動・ブランド選択のプロセスを知るだけでなく、ライフスタイル・ライフステージの変化など、ユーザーの行動の背後にある欲求を深掘りすることができます。

対象者とインタビュアーのみ在席する環境のため、病歴や金銭に関する話など、一般的に質問が難しい内容にも触れることができます。

一度に複数の対象者とインタビューを行う場合、周りの意見に左右されてしまうことがあります。対象者のまっさらな意見を聞くことができるため、精度の高いニーズを知ることができます。

    デプスインタビューのデメリット

    一人一人のインタビュイーに対しヒアリング・情報整理・分析を行うため、通常より時間がかかります。相応にコストも積み上がるので、採用する際は慎重に考えましょう。調査の目的と課題を明確にしてから行うと良いでしょう。

    デプスインタビューは事前に決めた質問だけでなく、調査中に追加の質問ができるフリーダムな作りになっています。一度の調査で高いクオリティの結果を得るには、インタビュアーの質問力や判断力がキーとなります。

      デプスインタビューで気をつけたいこと


      上記の内容を読んでから実際にデプスインタビューをやってみたい!と思っている方。
      一緒に調査に必要なステップを見ていきましょう。

      インタビューの前に

      まず、インタビューまでに踏むプロセスがあります。

      • Step 1. 調査の目的・課題を整理し、調査仮説を立てる
      • Step 2. 対象者を集める
      • Step 3. インタビューフローを作る

      中でもキーポイントとなるのが、対象者を集める段階です。

      Point. 対象者を集める時

      インタビューの前に、調査の目的・課題・仮説にもとづいて、対象者の条件を定義します。中でも、スクリーニングが大切なステップとなります。

      インタビューの目的に沿って、対象者をスクリーニング(選別)する必要があります。
      ポイントは判断基準を明確にすること。被験者を絞るための項目を意識して入れましょう。

      スクリーニングをしっかり行わないと・・・こんなことに。

      教育関係の案件で、親御さんを対象にインタビューを実施。
      しかし、親御さんは子供の教育に無関心でした。
      対象者は「なぜ」に答えることができず、いい調査結果を得られませんでした…。

      ▶︎スクリーニングの段階で、両親の子供の教育に対する関心度も図るべきでしたね。

      どれだけ素晴らしい仮説やインタビューフローを作っても、調査相手のミスマッチが起こってしまうと、インタビューが台無しになってしまいます。調査の目的と課題にしっかり寄り添ったスクリーニングを行いましょう。

      実際にインタビューを行う時、何に注意を払えばいいのでしょうか。
      ここでもインタビュアーの経験談を集めてみました。

      失敗談:やってしまった!

      無口な被験者さんと対面。
      何も聞いても「そうですね〜」としか返ってきません。
      仮説に当てはめたい気持ちが焦ってしまい、
      yes, noでしか答えられないほど具体的な質問を繰り返しました。
      結局、その人の潜在意識を深堀りできないまま終了しました…。

      具体的な行動を聞き出す際、5W1Hを意識すると良いでしょう。
      When [いつ]
      Where [どこで]
      Who [だれが]
      What [なにを]
      Why [なぜ]
      How [どうやって]
      以上の点のうち、対象者が話していない点を聞き返すだけで、行動原理がはっきり見えてきます。調査は難しいところがありますが、成功すると大きな力を発揮します。

      成功談:うまくいった!

      新サービスのローンチを考えている会社が「20代に使ってもらえるか確認したい!」と調査を依頼。
      インタビューの結果、20代はお金使うことに消極的だと分かりました。また様々な分野に興味がある年齢でもあるため、ロイヤリティの形成は難しい、という分析に至りました。 そこから、若年層には無料で使ってもらえる設計を為し、ブランドが自分向けであると認識してもらう方向性にシフトしました。

      インタビューがなければ、サービスの方向性がニーズとすれ違うところでしたね。

      仮説との重複

      先方の仮説と違う結果が引き出せるのは良いことですが、仮説と同じ結果が出てもがっかりすることはありません。仮説が正しいという結果のもまた、大きな手がかりです。自信を持ってプロジェクトを進められますから。

      数字だけでは分からないものを検証し、ユーザー視点に基づく情報を充実させるのがデプスインタビューの強みなのです。

      ユーザーの本音を引き出すには


      ユーザーの深層心理を知るためのデプスインタビューですが、インタビュー中、どうしても緊張してしまいます。質の高いインタビューを行うために、以下の点を意識すると良いでしょう。

      人間ですから、最初はどうしてもインタビュアーに警戒心を抱いてしまいます。また、1人で話をしていると、相手がどう感じているのか不安になることも。

      対策としては、調査初めに基本情報を聞く際、アイスブレイクをかねて雑談をすると良いでしょう。例えば、家族構成を聞いたときに「お子さんがいらっしゃるんですね!」と話しかけると、相手はより話しやすくなります。また調査中は、適度に相槌を打ったり、そうですねなどと共感を示すことで、ユーザーが安心して本音を話せる雰囲気を作り出せます。

      ユーザーから深層心理を引き出すことが目的のため、話すのはあくまでユーザー側です。インタビュアーは話しすぎず質問に集中しましょう。ユーザー自身も無意識から発言している場合があるため、「さきほど◯◯と仰っていましたが」など、しっかり話を受け止めていることに触れながら、深掘りを進めて行くのもいいですね。

      また、インタビューでは間を待つことも大事です。人は「なぜ」を聞かれると、基本考えこんでしまいます。辛抱強く待ち、ゆっくりと本音を引き出しましょう。

      ニューロマジックのデプスインタビュー


      多くの会社では調査だけを切り出して委託し、その結果を元に自社で製作や改善しています。しかし、調査会社に委託すると、こちら側は第三者として情報をインプットするしかありません。

      ですが、後の制作やサービス開発とのつなぎ目をスムーズに接続できるのがニューロマジックです。

      私たちは、サービス改善などの制作フェーズもまるっと包括して請負います。

      オールインワンで制作を行うと、

      1. 他の工程もすべて社内で情報共有ができるので、スムーズに意思を反映でき、思い通りの調査ができる
      2. 後工程で採りたい情報をインタビューに混えることができる

      そしてユーザーインタビューの後、そのままワークショップに移行できる点も強みの一つです。

      調査で判明したニーズをユーザー目線で分析し、さらに洗練されたユーザー像を知ることができます。ワークショップの詳しい説明は、こちらをご覧ください:ビジネスに使えるワークショップとは?セミナーとの違いやメリット

      いかがでしたでしょうか。

      デプスインタビューを通して、対象者の行動背景・深層心理・潜在意識を聞き出すことで、より正確に絞ったユーザーのニーズを知ることができます。また、昨今話題の「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」の分析にも繋げることできる優れものです。

      ご自身のサービス改善やWeb制作に、ぜひ活用してみてください。

      2310_Banner_ContactUs