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コロナ時代の新しい飲食モデルを目指す:築地場外市場支援プロジェクトKATTE

   

背景

2020年4月以降、日本各地で緊急事態宣言が発令されました。外出を控えること、お店の営業時間を制限するなどの呼びかけが行われ、観光地の収益減少やイベントの休止等、様々な経済の損失が表面化しました。飲食店の受ける影響は言うまでもありません。

世界的なパンデミックにより、国規模の人の移動も制限され、長年観光に支えられてきた築地場外市場周辺の経済は大きな打撃を受けました。リモートワークの実施により、平日に飲食店へ訪れるサラリーマンも大幅に減少する結果になりました。 そこで、築地場外市場にたくさんお世話になったニューロマジックでは、デジタルビジネスの経験やサービスデザインの知識を活かして、築地の飲食店がこの困難な時期を乗り越える手助けができないかと考えるようになりました。

まず行ったことは、UI/UXデザインのプロとして、「困っているレストラン」と「そのレストランを守りたいと思っているお客様」の想いを結ぶ仕組みを作ることでした。 コロナウイルスの影響を受けて日本各地で行われている支援サービスの「点」を「線と面」に結びつけることで、コミュニティにとってより有意義な体験を生み出すことができると考えたからです。 そのためにニューロマジックチームは、2020年4月に約1週間かけて、「日本各地の情報や有用なリソースを統合する」ための地域飲食店応援ポータル「KATTE」を作成、オープンしました。

ポータルサイトの内容

テイクアウト&デリバリー最新情報を届ける

各地で作られているデリバリー配送マップをできるだけ網羅し、予約やフードロス対策などのテイクアウト関連サービス、ウーバーイーツなどデリバリーサービスをコンテンツに加えました。

  • 地域別デリバリー配送マップ
  • テイクアウト・デリバリーサービス

飲食店へのエールを集める

TwitterなどSNSでの応援ハッシュタグの動向をキャッチし、「さきめし」、「キッチハイク」などの事前予約(先払い)サービスを共有しました。さらに飲食店を支援する方法として、ふるさと納税も紹介しました。

飲食店経営者へ有益情報を提供

経営者がすぐに手を打てるサービス情報として、デリバリー配送マップ、先払いサービスへの登録、クラウドファンディングの活用を紹介。また、危機をチャンスに変えるべく、オンライン店舗化への具体的な方法も解説しました。例えばフードトラックやデリバリービジネス、サービスの転換方法など、幅広い可能性を提示しました。

  • デリバリー配送マップへの掲載
  • 先払いサービスへの登録
  • クラウドファンディング
  • デリバリーサービスへの登録
  • オンライン化へのチャレンジ
  • フードトラック

飲食店経営者とオンラインワークショップを行う

飲食店のオーナーが抱える問題に対して聞き込みを行い、一緒に解決策を考えるためオンランワークショップを実施。オンラインソフトに慣れていない方のために事前にリハーサルを行い、ワークショップがスムーズに進むように工夫した結果、ワークショップ当日は様々なアイディアや意見がアウトプットされました。

KATTEは、「地域飲食店ポータル」から「築地はしご鍋」へ。

KATTEオープン後、徐々に緊急宣言の規制が緩和され飲食店の営業が再開していく中で、「飲食店応援情報収集サイト」の目的が現在の社会のニーズに合っているかどうか、マイルストーンを果たしているかどうかを再検討しました。

そこで、築地の事業者の方々と話し合い、2020年11月に築地の地元事業者団体「築地はしご酒」と共同で、「築地はしご鍋」プロジェクトを立ち上げました。 ここでは厳選された築地の食材を使った鍋の具材セットを開発・販売しています。現地の加盟店は食材の準備と流通を担当し、ニューロマジックチームは現地の加盟店と一緒に季節の鍋のコンテンツ企画から、プロモーション、販売、ウェブサイトの運営までを担当しています。 同時に、地元の経営者たちのビジネスモデル発展のためのアドバイスも行っています。

プロジェクトでは週に一度、ニューロマジックチームと築地市場のビジネスチームが会議を開き、季節ごとのメニューについて話し合っています。 また、ニューロマジックチームは写真撮影、チラシやコピーライトのデザイン、ソーシャルメディアの運用、製品マニュアルなど、販促物の制作にも取り組んでいます。

まとめ

スムーズにプロジェクトを推進するコツについて、ニューロマジックメンバーの一員としてライティングを担当しているコンテクストデザイナーの井原さんに話を伺いました。

築地のビジネスチームとの信頼関係を築くことが何よりも大切でした。飲食店の経営は彼らの生活の糧であり、もし我々のことを「遊びでやっている」「片手間にやっている」と思われてしまうと関係が成立しなくなってしまうからです。 だからこそ、私たちもこのプロジェクトに全力で取り組んでいます。

新型コロナウイルスは私たち全員に試練を与えました。前例のない挑戦に直面するには、課題の本質を見つけて解決するための努力を怠らないことです。

このプロジェクトで実質的な金銭利益を得るのは容易ではありません。しかし築地の事業者との関係の構築、新しいビジネスモデルの開発への協力、そしてそれを突き詰める過程で得られた経験など、形の無い価値を多く得ることができました。

無理をしすぎると続かないと思うので、 楽しみながらやることも重要ですね!

これからKATTEは年末に向けて、鍋以外の商品も開発する予定です。ぜひお楽しみに!最新情報はこちらから!

林 静瑩

サービスデザイナー
台湾出身。2019年ニューロマジック入社。前職で培ったマーケティング領域での経験を活かし、現在はデザインスプリントのメニュー設計やファシリテーションを行う。中国語、英語、日本語を巧みに操るトリリンガル。

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