ニューロマジックのDEI領域担当執行役員の永井です。都内では今冬イチの大雪となった2/5(月)にJobRainbow社が主催した「D&Iアワード」に参加してきました。

D&Iアワードとは? D&l AWARDはダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定・表彰する日本最大のアワードです。 日本で活動する企業(日本国外に本社を置く企業、非営利団体、研究機関等も含む)のD&Iの取組みを独自の評価指標「ダイバーシティスコア」で採点し、スコアに応じて認定を授与します。 https://diaward.jobrainbow.jp/about
ニューロマジックは、昨年本アワードに参加し「スタンダード認定」を獲得しました。今年はさらに上の「アドバンス」を目指していきたいと思っています。先日弊社のFacebookへ投稿した認定獲得のお知らせにも記載しましたが、我が社のDEI領域における課題の1つは「明文化」。緩やかに多様性の恩恵を享受する文化が形成されてきたからこそ、介護や育児をされているメンバーへに対するサポートの制度づくり、またセクシュアリティや言語などにおいてマイノリティ性を持つメンバーに対する(就業規則以外での)差別禁止の明文化などが足りないという実態があり、それらを改善するためのヒントを得ようとアワードに参加してきました
D&Iアワードは、弊社もチャレンジした認定の上位企業を表彰する表彰式と、カンファレンス、ネットワーキングの3部構成。そもそも表彰者/登壇者のステージがなく、参加者と物理的にフラットな会場であることや、手話通訳者の方が参加するなど、会自体がインクルーシブな環境であることが印象的でした。

アワードから学んだこと
1. 異文化コミュニケーションの土壌をどうやってつくるか
Key Noteスピーチのおいてまず印象的だったのが、本アワードの審査員でもある株式会社Culmony 岩澤直美さんのD&I領域推進の重要性や評価方法についてのプレゼンテーションです。
組織論などの研究結果を引用しつつ展開されたお話のなかで、社内でD&Iが機能するには「異文化間能力」の構成要素の基盤となる①敬意や尊重、好奇心や開かれた心、そして②知識と理解、観察や傾聴、解釈のスキルなどといった能力の開発があって、その後初めて目的達成に向けて内的・外的変化、アプローチが生まれるというお話がありました。
弊社でも全社アンケートなどを取ると、緩やかに文化が形成されてきたからこそ、アンンコンシャスバイアスや他者理解に関する研修など、基盤となる部分の知識や理解習得を要望する声が多く上がっており、改めて前提的なラーニングの必要性を強く感じました。
また企業がこうした取り組みを進めていくにあたって必ず求められる施策の結果提示や数値的な変化ですが、そもそもD&I領域は「メリットがなければやらなくてもいいのか?」という問いかけも非常に印象に残りました。利益を追求し限りある資源を運用する企業という形態において、効果とコストのバランスにおいてジャッジすること、またそもそも平等や公平を求める気持ちだけでは改善にも限界があるため、効果を測定したりファクトを獲得することはとても重要です。一方、そのプロセスのなかで、従業員の権利や幸福のためではなく、“メリットのためにやる”という狭義の目的に転換されないように気をつけなければいけないと思いました。
2. 女性はリーダーになりたくない、という誤り
受賞企業の事例紹介では、大東建託株式会社の女性管理職数向上を目指した達成必須(!)のクオータ制導入もとても重要な取り組みだと感じました。女性管理職を増やすべくアンケートをとったところ、女性従業員から①管理職になるための知識や能力が自分には不足と考え自信がない、②また従来男性中心の業界であることから、従来型のリーダーシップモデルである強く統率的なリーダー像以外にモデルがなく、そうはなれない/なりたくない、という2点の理由から管理職率が上がらないことが明らかに。
特に前者は、女性に多いと言われるインポスター症候群の典型的なメンタルモデルであることも考えることができます。弊社にも起こっている問題と捉えており、例えば弊社のDEIチームの女性からは「キャリアの成熟期に出産や育児などを経験することで、ステップアップに必要な勉強などに時間を当てられないこともあり、スキル不足を感じる」といった声もありました。女性が管理職になりづらい理由を、組織ごとに明らかにして対策を講じることがとても重要ですね。
弊社は課長クラスの女性管理職比率が6割近くですが、執行役員となると女性は現在DEI担当である私永井一人のみです。社内の男女比率が半々であることを考えると変革が必要であることは明らかで、原因をヒアリング等で究明しつつ、研修などを通じて多様なリーダーシップのあり方、エンパワメントやスキルアップ支援を強化していく必要があると改めて感じました。
見えてきた課題
豪雪の影響でネットワーキングが中止となってしまい会場での交流機会は限られてしまったのですが、会のなかで質問として挙げられていた参加者からのコメントについても印象深いものがあり、ピックアップしてみたいと思います。
「女性向けの施策を行うと、男性社員から”贔屓”や”下駄を履かせている”といった声が上がり、反発されてしまう」というコメント。弊社でも私が執行役員に就任してから、マイノリティや女性、子育て中の方々など一部の方々に向けた施策の拡充を続けてきました。それらがスムーズに受け入れられたのは、フルリモートや有給取得率の向上、ジョブクラフティングの推進により個人の希望を尊重したキャリアや評価軸設定など、そもそも「誰もが働きやすい」という職場を長く目指している土壌があったからであると感じています。
やはり自分が長時間労働に苦しんでいたり、休みづらい、キャリアに不満があるという状態では、他者が尊重されることを受け入れることができない心理状態になりやすいですから、上記のようなコメントの背景には男性も含めた誰もが”働きづらい””生きづらい”と感じる環境がそもそもあるのかもしれません。もちろん、社会構造的にさらに働きにくさを抱えている女性やマイノリティに対する施策を批判することが、それによって正当化されるわけではありません。しかし、対立構造になるときは一方への支援そのものが問題なのではなく、程度の違いはあれど誰もが生きづらい状態であるという構造的な問題に目を向けることが非常に重要であると改めて考えさせられました。

終わりに
会の後、大賞を取られていた企業様から社内規定についてご知見を共有いただいたり、研修のご相談を差し上げるなど、速改自社の取り組みに活かせる気づきとコネクションを得られたD&Iアワードとなりました。
引き続き自社の従業員と対話し、課題と向き合い改善を繰り返しながら、このような場で多角的に自社の取り組みをチェックしメンテナンスする活動を今後も継続していきたいと思います。
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