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デザインスプリントの準備をしよう [無料PDFツールあり]

   

ワークショップやデザインスプリントの優れている点は、時間を節約できるということ。アイディエーション(アイデア創出)を行い、アイデアを検証し、意思決定して、といった全てのプロセスを数時間、または数日で完了することができます。この記事をご覧になっている皆さんの中には、デザインスプリントの内容について考えるのは当日だけで良いと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ事前に十分な準備をしておくことが何よりも大事!スムーズにデザインスプリントを進行するには、事前の準備が欠かせないのです。

デザインスプリントのファシリテーターにとって「正しい」準備を行うことはとっても重要。きちんと適切な準備を行うことで、チームが直面している課題は何なのか、その問題には誰が関わっているのか、そして実施するデザインスプリントで達成すべきことは何なのかを把握することができます。このような準備は、デザインスプリントを単にスムーズに進めるだけでなく、ファシリテーターが自信をもってファシリテーションを行うほか、チームが士気を保ってデザインスプリントに取り組めることにもつながります。

とはいえ、実際にどのような準備をすれば良いの?と思ったあなた。この記事ではデザインスプリントにおける準備のコツを説明してきますので、ぜひ読んでみてください。またニューロマジックが作成した無料でダウンロードいただけるPDFツールもご用意しましたので、そちらも参考になさってください。

ステークホルダーを把握する

デザインスプリントを実施する際、参加者が皆同じ認識をもって臨んでいることをきちんと確認するのはとても重要です。ニューロマジックではデザインスプリントの実施前に必ず主要なステークホルダー(たいていの場合はプロジェクトの担当者で、ニューロマジックとやりとりをしてくださる方)と一緒にデザインスプリントの「メインチャレンジ」を設定します。このメインチャレンジはワークショップの広義のテーマとなり、デザインスプリント中のあらゆるエクササイズの核となります。例えばメインチャレンジとして、以下のようなものが挙げられます。

どのようにして部署間のコミュニケーションを円滑にできるだろうか?

メインチャレンジは、デザインスプリントの1日目に取り組むべき特定の課題へとさらに絞り込まれます。上の例だと、以下のようなチャレンジへと絞り込まれることが考えられます。

どのようにして異なる部署のKPIを標準化し、異なる部署間での生産性をあげることができるだろうか?

またあらゆるステークホルダーの立場に立って、このデザインスプリントを実行する理由をきちんと理解することも重要です。チームメンバーの中にはデザインスプリントをなぜ実行するのかに対して異なる見方をしているメンバーがいることもあります。それぞれがデザインスプリントに異なる結果を期待していると、最終的に一部のメンバーだけデザインスプリントで導かれた結果に満足することができないという状況が起きかねません。ですから、参加者全員の認識はデザインスプリントが始まる前までに必ず確認しておきましょう。電話やメールでの連絡を通じて相手をよく理解し、期待を一致させておきましょう。

またこの認識の一致には、メインのステークホルダー(多くの場合はデザインスプリントの実施を決定した人)にデザインスプリントに関する情報リストを送るというのも1つの方法です。デザインスプリントで予想される結果や成果物、チームメンバー、日付、場所、スプリントチャレンジなどの主な要素を記入してシェアし、参加者に事前にみてもらうことで共通の認識を持つことができます。

こちらからニューロマジックが作成したデザインスプリントブリーフを無料でダウンロードすることができますので、ぜひご活用ください。

繰り返し練習する

(source: Miro Help Center)

事前にデザインスプリントの練習をしておくことは、特にリモートで実施する場合には重要です。リモートスプリントでは、 MiroMuralといったツールや、ビデオ会議ツールも同時に使用することで複雑さが増します。初めてリモートスプリントを行うファシリテーターは必ず練習しましょう。

初めてリモートスプリントに参加するメンバーのためには、デザインスプリントを始める前に別のセッションを設け、オンライン会議ツールとホワイトボードツールの使い方をレクチャーします。どうしたらファシリテーターの見ている画面と同じ画面を見ることができるのか、投票セッションはどうやって行うのか、ビデオ会議ツールでブレイクアウトルームを使う方法、誰がブレイクアウトルームをコントロールするのか、などを確認しましょう。

また、ファシリテーターはリモートで各エクササイズのリハーサルを少なくとも1回は行っておきましょう。こうすることで、デザインスプリントを行っている最中にテクニカルな問題が起きるのを防ぐことができます。

対面のデザインスプリントでは、各エクササイズを全てリハーサルするのが必ずしも必要というわけではありません。しかし、初めてファシリテーションを行う場合、または新しいエクササイズを導入するという場合にはリハーサルを行い、参加者にどの部分をきちんと説明しなければならないかなどを把握します。

必要なものを準備する

一番簡単な最後のステップは、デザインスプリント実施に必要なものの準備。ニューロマジックではオンラインでまとめて買うことが多いです。対面のデザインスプリントを行う場合には、キャンバスの注文をACCEAで行い、念の為1週間前には完成できているように依頼します。

リモートスプリントで使用するもの

  • (可能であれば)ビデオ会議ツールと、ホワイトボードツールそれぞれを映すモニター(例えば タブレット + ノートパソコンという様に2台用意する)
  • お菓子やコーヒー
  • ヘッドセット、イヤホン

対面のスプリントで使用するもの

  • 黒のマーカー
  • 50mm×50mmのポストイット(20個入り×2箱)
  • 75mm×126mmのポストイット(10個入り×2箱)
  • ひっつき虫 2パック
  • A4用紙 目安:5枚 × 参加者人数分
  • セロハンテープ
  • キャンバス
  • タイマー
  • デジタルカメラ(記録撮影用)
  • お菓子、水、コーヒー、お茶など

デザインスプリント ・事前テンプレート

デザインスプリントの準備をする、またはしているという方は、ぜひ以下のツールを活用して準備してみてください。このツールを使うことで、ステークホルダーが同じ認識をもち、ファシリテーターも自信を持ってデザインスプリントに臨むことができます。PDF形式で無料でダウンロードいただけます。

このツールには、デザインスプリントに必要なあらゆる基礎的な要素が含まれています。

  • デザインスプリントブリーフ:ステークホルダーに送り、全員が同じ認識を持てるようにしましょう。このシートをデザインスプリントの最中も手元に残しておくことで、デザインスプリントの目的が何だったのかを見失わずに最後まで集中することができます。
  • 参加者リスト:これを参加者に送信し、埋めてもらいましょう。デザインスプリント当日に参考として手元に残しておきます。
  • 開催場所の用件:ステークホルダーが開催場所を探す場合には、この用件をそのまま送り、これらを満たした会場を探してもらいます。ご自身が開催場所を探す際にはこの用件に気をつけて探すようにしましょう。
  • 持ちもの:準備する際に、チェックリストとして使うことができます。

これができれば、もう準備万端!今後も無料でダウンロードいただけるツールを随時公開していきますので、是非チェックしてくださいね。

Good luck, and Happy Sprinting!

デザインスプリント ・事前テンプレートをダウンロード:

岩田エレナ

デジタルコンテンツプロデューサー

アメリカ出身。メディアコミュニケーションの学士号を取得後、2019年ニューロマジックに新卒入社。現在は自社のSNS企画運営に加えて、サービスデザインに関する記事の執筆、インタビュー、撮影までをマルチにこなす。

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