自社の地球への影響を理解するための「サステナビリティレポート」とは?

環境・社会問題が世界的に議論される今、企業、投資家、消費者は、世界に与える影響に対して組織が責任を持つことを求めています。サステナビリティレポート(サステナビリティ報告)は、ステークホルダーや社会に対しての、企業によるポジティブ/ネガティブな影響を見極め、伝えるための重要なツールです。しかし、複雑で敷居が高く、多くの組織のサステナビリティ担当者にとって、課題となっているのが現状ではないでしょうか。

本記事では、サステナビリティレポートの実態についてやそれを取り巻く状況を説明します。そして、実際に広く利用されているグローバルなサステナビリティ基準をどのように利用すれば、自社のサステナビリティへの影響を明確にできるのかをご紹介します。

なぜサステナビリティレポートが必要なのか


具体的な報告基準の話の前に、あらゆる業種・規模の組織にとってサステナビリティレポートがなぜ必要なのかを理解することが必要です。

以下は、私たちがサステナビリティレポートが重要だと考える5つの理由です。

グローバルなフレームワーク


サステナビリティレポートは、複雑で敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、幸いにもゼロから作成する必要はありません。サステナビリティへの影響を特定し、それを世界に発信するための方法を説明するガイドラインが存在します。しかし、レポートでよく使われる英語の略語は混乱を招きやすいので、サステナビリティフレームワークのなかでも特に話題になっているキーワードをまず簡単にご紹介します。

フレームワークと組織の関係性


サステナビリティレポートにおける世界的な課題の一つは、サステナビリティのような幅広い事柄に関するレポートを、国際的に標準化することです。過去数十年にわたり、この問題を解決しようとさまざまな組織が急増しました。しかし、このようなサステナビリティレポートのフレームワークや関連組織の増加は、状況をより複雑化させ、組織のリーダーたちの混乱を呼び、苦情につながってしまいました。昨今、これらの組織の多くは、レポートをより管理しやすくするために統合されました。特に、国際財務報告基準(IFRS)は、SASB、IIRC、CDSBを含むいくつかの基準を統合したものです。

以下は、既存のフレームワークと各組織の関係を表す図です。

GRIはIFRSに統合された組織の一つではなく、ISSB基準に影響を与え、補完する役割を担っています。この2つの基準はそれぞれ重要なニーズに対応しているからです。

ISSBがサステナビリティに関連する財務リスクと新しい成長の機会に関する投資家のニーズに焦点を当てているのに対し、GRIスタンダードは、環境や経済、人々に与える影響に焦点を当てています。これは、投資家だけでなく、サプライチェーンの労働者、地域社会、NGO、政府など、組織を取り巻くより広範囲のステークホルダーにとっても大切な情報です。

一番よく使われているフレームワーク「GRIスタンダード」を理解する


持続可能性報告フレームワークのなかで最も広く浸透しているGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)スタンダードは、100カ国以上、10,000以上の組織で利用されています(参照元:GRI)。サステナビリティレポートを始める際や、組織の影響を理解する際に基礎として使えます。

GRIスタンダードは、1989年のエクソンバルディーズ号原油流出事故をきっかけに策定されました。サステナビリティの実践における企業の説明責任を監視するシステムを求める世界的な声が年々増加し、それに応えるため、1997年に設立されたのです。2000年に発表されたGRIガイドラインG1は、世界初のサステナビリティレポートの基準です。その後、GRIスタンダードは発行・改訂され、「影響に対する透明性とオープンな対話によって実現されるサステナブルな未来」というビジョンを実現するために、他の主要な会計およびサステナビリティガイドラインと協力して活動を続けています。

GRIスタンダードの重要な要素


GRIスタンダードは、「GRI共通スタンダード」「GRI項目別スタンダード」「GRIセクター別スタンダード」の3つで成り立っています。

継続的に更新されるこれら3つの基準は、包括的かつ柔軟なレポートのフレームワークを構築するために連携しています。

GR Iスタンダードを活用した影響の特定と共有


GRIスタンダードは、レポートのフレームワークを提供するだけでなく、組織の持続可能な開発への貢献を認知し、理解するためのツールとしても機能します。

GRIスタンダードによる影響の定義は、「持続可能な開発への貢献(プラスまたはマイナス)を示すことができる、組織が経済、環境、社会に与える影響」(参照元:GRI)です。GRI認定のサステナビリティの専門家であるニューロマジックは、組織が環境、経済、人々に与える影響を特定する際に、GRI基準を参照しています。

GRIスタンダードがサステナビリティ変革とサステナビリティレポートの出発点として適している理由が、6つあります。

おわりに


サステナビリティレポートは、最初は複雑で遠い存在のように思えるかもしれません。しかし、あらゆる業種や規模の組織においてそれが重要だと認識し、どんな基準が組織のニーズに合っているかを判断することが大切です。特にGRIスタンダードを通じたレポートを取り入れることは、組織がその影響を理解するために役立つだけでなく、サステナビリティについての有意義な対話に参加し、透明性を育み、すべての人のための持続可能な未来に大きく貢献するでしょう。

サステナビリティへの影響の把握、追跡、報告についてご興味をお持ちの方は、お気軽にニューロマジックまでお問い合わせください。ワークショップ、リサーチ、コンサルティングを通じて、お客様特有のサステナビリティに関する重要な課題を特定するお手伝いをいたします。GRI認定のサステナビリティプロフェッショナルがチームに在籍しているため、グローバルスタンダードに沿った成果をお約束するとともに、お客様ニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。

組織内の主要なサステナビリティ問題を把握した後は、サステナビリティデータ管理・分析ツール「SustainLab(サステンラボ)」を利用して、サステナビリティへの影響を追跡することもできます。ヨーロッパのサステナビリティリーダーとAIデータサイエンスの専門家によって構築されたSustainLabは、サステイナビリティデータの一元的かつ効率的な管理、アップロード、分析、報告を可能にし、実用的で使いやすいインターフェイスで最先端の技術を活用しています。