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自社でユーザーリサーチをすべき理由と5つのコツ

   

一般的に、企業が新しいプロダクトやサービスをローンチするとき、開発プロセスの前にユーザーリサーチのフェーズが組み込まれます。これまでデザインの専門家たちは、どんなものであろうとそのローンチにユーザーリサーチが不可欠であることを繰り返し強調してきました。

多くの場合、プロジェクトマネジャーの方はユーザーリサーチを外部に委託することが多いのではないでしょうか。自社のプロダクトについて、想定しているターゲットとそのペインポイント、関心について委託先に説明して、あとはお任せ、という感じです。業務委託先のリサーチャーは、そうした情報を元に該当するユーザーを集め、数週間から数ヶ月程度かけてリサーチ結果をまとめていきます。

さて、こうしたプロセスの中において、依頼主である会社の開発者、エンジニア、デザイナーは実際にどれくらいプロダクトやサービスの提供先であるユーザーと触れているでしょうか。この場合では、「ほとんどない」と言っても過言ではないかもしれませんね。

ここで挙げたような、典型的なユーザーリサーチの業務委託は一見効率的にみえます。しかし、これでは本当に人々のニーズを満たすことのできるプロダクトやサービスの創出に欠かせない、「ユーザーとの関わり」を見落とすことに繋がりかねません。私たちニューロマジックでは、真の効率性を重要視しています。「本当に価値のある」プロダクトを生み出すのに時間をかけるのは、短時間で改良を必要とするプロダクトを生み出してしまうより良いですよね。

では、「本当に価値のある」プロダクトやサービスを実現するには、一体どうすれば良いのでしょうか。私たちがお勧めしたいのは、「自社でユーザーリサーチを行う」ということ。そう、実際にあなたが、ユーザーに会ってみるのです。

ユーザーインタビューで握手するインタビュアーとインタビュイー

あなたのブランドを一番知っているのは誰?

考えてみてください。あなたのブランドを一番よく知っているのは誰でしょう?そう…あなた。では、プロダクトの真の価値、ベネフィットや特徴について一番よく知っているのは?ユーザーがインタビューで発言しているとき、その微妙なニュアンスをかぎ分け、プロダクトの機会に気付くことができるのは?自社のプロダクトやサービスで、本当に提供できることは何かを知っているのは?…そう、全部あなたなのです。

プロダクトを深く理解している社内のメンバーがユーザーリサーチを実施すれば、プロダクト開発に直接関わる、意味のあるインサイトが得られることは明らかですね。

ユーザーを理解しなければならないのは誰?

さて、ここでもう1つだけ質問をさせてください。ユーザーを一番理解しなければならないのは誰でしょうか?…そう、これもあなた。委託先から納入された、きれいに整理されたデータやインフォグラフィックスのレポートは見ていて心地よい気持ちになりますし、興味深いインサイトが伝わりますよね。でも、これを見ることが実際にユーザーに会うことと同じ、というわけではありません。表情、仕草、感情表現など、こうした些細なことこそが、本質的に人を理解するための要素であり、ロイヤルティの獲得と維持を実現したいとき、考慮すべき重要なポイントなのです。

端的に言えば、ユーザーを単に「ユーザー」と言う言葉で片付けてしまうと、重要なポイントの見落としに繋がるということです。ユーザーをあなたと同じように1人の人間として意識しましょう。ユーザーとの関わりを欠いてしまうと、彼らが実際のところどんなことに気を配っているのかや、彼らが消費者として自由な選択肢を持っているということを見落としてしまいます(これは、B2Bでも当てはまります)。

ですから、デザインプロセスにおいて本当に価値のある結果を得るためには、自身でユーザーに向き合い、理解することをお勧めします。

ちょっと待って、私リサーチャーじゃないですけど…
とお思いのあなた。

「ちょっと、まって。私、リサーチしたことなんてないんですけど…。」なんて、思われましたか?大丈夫。この記事を読んでいる皆さんが、エンジニア、デザイナー、ディレクターなど、様々な役職の方だということは私たちもお見通しです。皆さんの置かれている立場によって異なりますが、ユーザーに直接話を聞きに行くなんて初めての経験、という方もいるかもしれません。ユーザーとの接点なくしてプロダクトやサービスが生み出されている、ということに気付かないのは、実際のところよくある話です。

私たちは、このような現象は小規模の会社より大企業で頻繁に起きているということに気付きました。大企業では数値やKPIに追われ、日常的に消費者との関わりがほとんどなく、顧客の人間性を見失いやすい環境下にあるからです。

でも、これに恥じる必要などありませんよ。実際のところ、こうした現状こそがより価値のある、好奇心をくすぐる仕事をするための最初のステップなのです。

ユーザーインタビューで考えを共有するユーザー

さて、ユーザーリサーチへと取り掛かる前に、少しだけトレーニングしましょう。本当に価値のある結果を得るためには、正しいテクニックを使うのが不可欠ですからね。ちなみにニューロマジックでは、クライアントと共に新たなプロダクトやサービスを開発するとき、デプス・インタビューから始めることを推奨しています。本当に価値のあるインサイトを得るためには、定量調査と定性調査のバランスを保ち、コンセプト形成の大部分を定性データを元に行うことが重要だからです。

デプス・インタビューは通常50分〜2時間程度。適切なテクニックを持ち合わせていれば、これで重要なインサイトを引き出すことができます。

さて次のセクションでは、この記事を読んでいる皆さんがうまくデプスインタビューを始められるよう、重要なコツをまとめてみました。一緒に確認してみましょう!

ユーザーインタビュー 5つのコツ

  1. 矛盾に気付く:インタビューの中で、インタビュイー(インタビュー対象者)の発言と、実際にしたという行動の間に矛盾がみられることがよくあります。興味深いヒントがそこに隠されていますので、見逃さないようにしましょう。
  2. 発言をそのままメモに残す:要約するのは避け、インタビュイーが答えた通りにメモしましょう。要約したり、別の言葉で書き換えると、細かいニュアンスを見落としてしまうことにつながります。
  3. 非言語の情報に注目する:ボディーランゲージや感情こそが、インタビュイーの多くのことを物語り、伝えてくれます。仕草や表情で気づいたことはメモしておきましょう。
  4. 沈黙を避けようとしない:インタビュイーは質問に対する答えを考え、アイデアを言葉にする時間が必要です。沈黙をあえて続けることで、インタビュイーは深くにある思いを言葉にすることができます。沈黙を続けることに、気まずさを感じないようにしましょう。
  5. インタビュワーの考えを提示しない:「今の発言は、〜ということですか?」という聞き方はしないようにしましょう。つまり、インタビュイーにバイアスを与えるような、答えを誘導する質問をしないということです。そうしてしまうと、無意識にインタビュイーがインタビュワーの期待に答えるような回答をする恐れがあるからです。

これだけじゃない。リサーチの嬉しいベネフィットとは?

ユーザーリサーチを自分でするもう一つのベネフィットは、「モチベーションを上げてくれる」ということ(ニューロマジックでも、これを大切にしていますよ)。プロダクト開発のチームがプロジェクトに行き詰まっている時、こうしたリサーチのプロセスは、モチベーションを与えてくれます。私たちはこれまでの体験から、実際にこれを感じてきました。だからこそ是非皆さんにやっていただきたいのです。

オフィスでデプスユーザーインタビューの結果を確認するチーム

もちろん、私たちは決して皆さんが雇っているリサーチャーとの関係を断って、全てのユーザーリサーチを自身でやるべきと訴えているわけではありません。ユーザーのインサイトを発見するために、きちんとトレーニングを受けた専門家に行ってもらうことは大きな価値があります。特に時間に余裕がなく、デプス・インタビューを企画することができない場合はもっとも。ですから、私たちが伝えたいのは、ユーザーリサーチはプロダクトやサービスの開発プロセスにおいて、慎重に検討されるべきステップであり、少なくとも1回は実施するべきだということ。そしてプロダクトとユーザーを深く理解するだけでなく、あなたの仕事の意味も改めて理解させてくれるものであるということです。

さて、ここで読んで終わりにはせず、次は行動に移してみましょう!実際にリサーチをやってみるのです。何か気になる点があれば、お気軽にニューロマジックにご連絡くださいね。ユーザー理解のための正しい筋道を立てて、リサーチプロセスをきちんと管理できるようにサポートいたします。

この記事は、石田智絵が英文を日本語に翻訳しています。

岩田エレナ

デジタルマーケター
アメリカ出身。メディアコミュニケーションの学士号を取得後、2019年ニューロマジックに新卒入社。現在は自社のSNS企画運営に加えて、サービスデザインに関する記事の執筆、インタビュー、撮影までをマルチにこなす。

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